"大深度立坑"の急速施工とコストダウン

オープンケーソン工法での大深度・硬質地盤への挑戦
~自動化オープンケーソン工法~

 「自動化オープンケーソン工法」は、大深度・硬質地盤へのオープンケーソン工法の適用ならびに施工の合理化を目的として、官民共同で開発された工法である。
 従来、オープンケーソン工法では、硬質地盤に対し補助工法の適用検討が必要であった。本工法は、オープンケーソン工法の施工上の問題点を先端技術を駆使して克服し、大深度・硬質地盤に対しても補助工法を必要とせず、確実で高精度なケーソン沈設を可能とするとともに、自動化技術の採用により、大幅な省力化・工期短縮を可能とした新しいオープンケーソン工法である。
 本稿では、深度50mを越える硬質地盤への実績を踏まえ「自動化オープンケーソン工法」の概要とその施工事例を紹介する。

(株)鴻池組 東京本店 土木技術部  秋田 満留

大深度大規模開削工事の急速施工とコストダウン

 近年、都市土木工事においては地中連続壁による立坑、ケーソンによる立坑、開削トンネルおよび換気所等において大深度かつ大規模なものが増えてきている。これらは、主としてシールドトンネル等の目的構造物の断面が大きくなったことや浅深部にある既設構造物のため計画深度が深くなったことに起因する。
 この状況を踏まえ、本稿では地中連続壁やケーソンで構築された過去の大深度立坑を紹介し、次に首都高中央環状新宿線の要町換気所において大深度・大規模化した構造物の施工に適用した急速施工例について述べる。
 また、大深度施工の工期短縮とコストダウンを視野に入れた新しいソイルセメント壁の造成⊥法であるCSM工法とソイルセメント鋼製地中連続壁工法を紹介する。

ハザマ 土木事業本部 技術部 都市土木グループ長
技術士(建設部門・総合技術監理部門)  佐久間 誠也

ニューマチックケーソン工法の技術変遷とSIニューマ

 わが国の都市は沿岸地域に集中しており、そこはビルや木造家屋等が密集し地下埋設物が輻輳している。さらに軟弱で地下水位の高い地盤であることが多い。このような状況に対して、圧縮空気を利用して地下水の浸入を防ぎながら、地下水や近接構造物への影響なく地下構造物を築造できるニューマチックケーノン工法は、シールドトンネルの立坑築造に最適な工法である。
 本報文では、ニューマチックケーソン工法の原理、特徴、歴史と技術変遷、ならびに圧縮空気を用いることと社会情勢の変化による課題を解決するために開発された究極のニューマチックケーソンであるSIニューマ(Super Intelligent Pneumatic caisson)の概要を紹介する。

オリエンタル白石(株)施工・技術本部 土木技術部部長 技術士(建設部門)  小田 章治

大深度立坑の合理化施工技術「JPEX工法」「CF工法」

 近年、地下空間の重層的な利用が活発化しており、地下構造物の大深度化が進んでいる。地下空間の構築工法としては、シールド工事が主流であるが、この工事で不可欠なものは大深度掘削を伴う立坑である。そこで大深度立坑の合理化施工技術として2つの工法を報告する。
 まず、大深度立坑で重要なポイントとなる掘削底面の安定確保に対して、既存のジェットグラウト改良体と引抜き抵抗杭を組み合わせた盤ぶくれ防止工法「JPEX工法」について、次に圧入ケーソンの外周面に薄鋼板に特殊ポリマーを塗布したシートを設置し、ケーソン外周面と地盤との摩擦抵抗を積極的に低減する「CF工法」について技術概要と施工概要を報告する。

(株)銭高組 技術本部 技術研究所所長 工博 技術士(建設部門)  深田 和志

球体シールド工法による大深度立坑急速施工の可能性

 球体シールド工法は、地下空間の高度利用が進む昨今、都市部でのシールド工事における用地難からくる立坑構築に関る課題の解決と、ニーズの高まる大深度化に答えるべく開発された技術の1つである。
 球体を利用することで自在にシールド機の向きを転換できる本工法は1989年に発案され、1993年に初めて実用化されてから、7件の実績を挙げてきているが、時代と伴に要求される用途や施工環境の変化に応じ、施工方法やシールド機も変遷を遂げている。
 本稿では7例目の実績を踏まえながら、今後の大深度急速施工の可能性について報告する。

大成建設(株) 関西支店 泉大津忠岡シールド作業所 所長  坂本 英俊
大成建設(株) 本社土木本部 土木技術部 都市土木技術室 室長  中村 隆良
大成建設(株) 関西支店 土木第一部 統括所長  幸長 茂雄

高気圧作業を完全無人化したNew DREAM工法

 近年、都市部において、雨水貯留施設やトンネルの立坑等が計画されているが、用地不足や浅深部の輻輳した地下構造物により大深度化の傾向がある。これらに適用する一工法にニューマチックケーソン工法があるが、本工法は作業環境が厳しくコストも高いという欠点が存在していた。これらを解決するために、高気圧作業を削減する無人化ケーソン工法が開発されているが、一部の作業で高気圧作業が日常的に行われている他、大深度ではヘリウム混合ガスを使用しており、依然として厳しい作業環境が存在している。
 この度、高気圧作業の完全無人化技術でこれらの問題を解決し、作業環境の改善とコストの縮減を行ったNew DREAM工法を開発したので紹介する。

大豊建設(株)エンジニアリング本部 技術開発部部長 技術士(建設部門) 上月 直昭

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