第47回「シールドトンネル工法施工技術」講習会

シールド“厳しさへの対応”

『自動化オープンケーソン工法』による大深度立坑の施工

 従来型の圧入ケーソンの施工においては、ケーソン壁体直下の地盤が掘削できないため、玉石や転石を多く含んだ地層や硬い地盤でのケーソン沈設は非常に困難であった。また、強引にケーソンを沈設させようと刃口先端より深いところまで先掘りを行い、刃口直下の地盤を内側へ崩しながら沈設させていたため、周辺地盤への変化を来たすこともあった。本稿では、これらの諸問題を解決すべく、旧建設省総合技術開発プロジェクトで共同開発された『自動化オープンケーソン工法』による大深度立坑の施工例を報告する。

(株)大林組 東灘送水シールドJV工事事務所 所長  宮嶋 均
(株)大林組 東灘送水シールドJV工事事務所 工事長  松谷 英之

長距離、大深度下シールドの合理化施工技術

  「スライド式ビット交換システム」「電食技術による直接発進到達工法」

 シールド工法は、都市部では欠かせない技術であるが、近年その施工条件は厳しく、安全性の向上や周辺環境への負担削減、コスト縮減に係わる技術開発が求められている。「スライド式ビット交換システム」はシールド機内よりビット交換を行うため、交換用中間立坑も不要となり、工期短縮と工事コストを大幅に低減、大深度地下への対応も容易となり、随時変化する土質に適合したビットを常に切羽に供給することで、極めて効率的な長距離掘進を可能にした。また「電食技術による直接発進到達工法」を用いることで大深度下におけるシールドの発進到達を安全で経済的に施工できる技術を確立した。これらの工法について実績と今後の展開について述べる。

飛島建設(株) 機電統轄部 主席技術員  向谷 常潤
飛島建設(株) 機電統轄部 担当課長  岡 利煤
飛島建設(株) 機電統轄部  荒川 康広

難条件下での複合型シールドの施工
-細砂層・低土被り・河川横断・R=20m急曲線-

 当工事は北九州洞海湾沿岸部における内径φ6.0m合流式下水道管渠築造工事であり、全断面均等係数Uc =4程度の細砂層のなか、外径φ6.15mのシールドで施工するものである。平均土被りは1.4Dと低土被りで、特に曲線半径20mの急曲線施工となる河川横断部については、1D以下の土被りとなっている。この厳しい施工条件に対して、切羽の安定と掘削土砂の搬送および残土処分の確実性・効率性を考慮して、切羽安定機構は泥土圧式、掘削土砂の搬送を泥水還流方式とした複合型シールドにより施工した。
 本稿では、複合型シールドによる崩壊性の高い細砂層での掘削土砂の塑性流動化管理、切羽安定管理および急曲線施工などについて、計画と施工結果について報告する。

西松建設(株) 九州支店 戸畑シールド出張所 所長  大和谷 実
西松建設(株) 九州支店 戸畑シールド出張所 係長(技術士)  坪井 広美
西松建設(株) 九州支店 戸畑シールド出張所 主任  久米 満里

高速道路直下の大断面・低土被りシールド

 当工事は、高速道路直下を1D以下の低土被りで外径φ7.45mの泥土圧式シールド工法により単線並列トンネルを施工した。シールド掘進対象地盤の大部分がN値10以下のゆるい滞水砂層のため、当初より高速道路の沈下が懸念されたが、非接触型での路面の自動計測並びにトンネル直上2m位置での地盤の自動計測をトンネル全線で縦断方向に5m間隔で行い、路面並びに地盤の計測結果を直接掘進管理に反映させることにより、高速自動車道路面の最大沈下を4mm程度に抑制することができた。

日本鉄道建設公団 関東支社 守谷鉄道建設所 所長  石徳 博行
(株)奥村組 東京支社 常新谷和原工事所 所長  伊藤 博元
(株)奥村組 東京支社 常新谷和原工事所 監理技術者  岸本 章士

長距離シールド施工に対応する“カッタービット交換技術の展開”

 シールド工事の長距離化が進む中で、掘進で摩耗するカッタービットの交換技術が重要視されている。従来は、中間立坑での交換作業や地盤改良による切羽前方に出ての作業が行われてきた。これに対し、地盤改良を必要とせず、シールド機内から安全に交換できる技術が開発、実用化されている。
 ビット交換装置は様々な形式でシールド機に搭載されており、長距離対応のビット交換をはじめ、地中障害物切削への対応等も果たしている。今回は、施工条件に応じたビット交換装置の適用体系を整理するとともに、現場施工への適用実績と今後の展開について述べる。

鹿島建設(株)本社機械部 工種別グループ(シールド) 次長  永森 邦博
鹿島建設(株)本社機械部 技術開発グループ 課長代理(技術士)  真鍋 智

泥土圧シールド工法の添加材選定と施工性の向上

 最近のシールド工法は、施工の長距離化や大深度化に伴い、全路線にわたって均一な地盤を対象とすることは少なく「安定した掘進」を維持することが重要な課題となっている。
 特に、泥土圧シールド工法は粘性土から砂および砂礫層、さらには崩壊性地盤や複合地盤、花崗岩等の幅広い地盤に適用する場合が多く、地下水の状態によっては施工に困難を伴い「切羽の崩壊」や「掘進の中断」にいたる事態も生じている。
 本稿では、泥土圧シールド工法で適用する添加材に着目して、対象とする地盤に応じた添加材選定と施工性の向上について、各種実験や実施工を踏まえて報告するものである。

(株)錢高組 技術本部 主席研究員(工学博士・技術士)  齋藤 優

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