第55回「シールド・トンネル工法施工技術」講習会

新しい時代の要請と難条件に応える
シールド技術の提案、評価

大断面(φ10.3m)かつ急曲線シールドによる下水道トンネル工事

 本工事は、東京都品川区を流れる立会川下流域を発進立坑とし、勝島ポンプ所までの約980mの区間をシールド径10.3mの泥水式シールド工法により築造するものである。路線線形には、曲線半径が30mの急曲線施工区間が4箇所も含まれており、到達直前に曲線半径30mのS字曲線が存在する。
 さらにS字曲線区間においては、重要構造物である首都高速道路橋脚基礎との離隔が2m程度の近接施工となっている。そのため、近接構造物への影響を最小限に抑えるとともに、急曲線施工に伴う余掘り量の増加による周辺地山の緩み防止とシールド掘進反力の確保が求められた。急曲線施工対策を講じることにより良好な結果を得たので報告する。

前田建設工業(株) 東京支店 立会川作業所 工事課長  増田 昌昭

ロスゼロ工法による大口径シールドの高速施工

 昨今のシールド工事の長距離化に伴い、事業の円滑な推進や周辺環境への配慮から工期短縮のニーズが高まっており、
シールドの高速施工技術が脚光を浴びている。一方、3交代による作業時間の延長や設備能力の増強は、コストの増加や施工の安全性の低下を招くことから、一次覆工サイクルの90%を占める掘進とセグメント組立の同時施工が最も合理的な施工技術であると言える。
 当社は、セグメント組み立てに伴うシールド機の姿勢変化を個々のシールドジャッキの圧力を制御することにより適正化する「ロスゼロ工法」を開発し、良好な成果を上げている。本稿は、適用した中央環状新宿線SJ33工区、SJ34工区等の施工事例をもとに概要、成果について報告するものである。

飛島建設(株) 土木事業本部 機電部 担当課長 技術士(建設部門)  西 明良

営業線直下における小土被り・併設シールドの施工

 東京都、調布市および京王電鉄株式会社は、京王線の柴崎駅~西調布駅間約2.8km区間と相模原線の調布駅~京王多摩川駅間約0.9km区間の2区間を地下化する連続立体交差事業を施行している。本工事は、本事業のうち国領駅~調布駅間の上下線、トンネル外径6700mm、延長861m×2本のシールド工事であり、(1)営業線直下を小土被り(最小土被り4.7m/0.69D)で縦断方向に連続して掘進すること、(2)掘削対象地盤は立川礫層が主体で、バインダー分が少ないこと、(3)上下線トンネルの最小離隔が400mmと超近接併設シールドであること、(4)営業線直下の回転立坑において、約300tのシールドを回転・扛上し、Uターン施工を行うことなどの特徴を有する。
 本稿では、このような条件下における泥土圧シールドの施工上の課題と対策および施工結果について報告する。

京王電鉄(株)鉄道事業本部 調布工事事務所 所長  岩村 忠之
(株)大林組 東京本社 生産技術本部 シールド技術部 主任  高橋 寛

親子シールドによる長距離掘進と多数の分岐シャフトの施工

大阪北共同溝交野寝屋川地区工事は、高度技術提案型(II型)により受注した設計・施工一括発注方式の試行工事である。長距離(延長3.87km)で必要内空が変化する共同溝トンネルに対し、2つの異なる断面(外径φ3.78m、φ3.45m)を1台のシールド機で施工できる親子シールド工法(地中分離方式)を提案し採用された。また、7箇所の分岐シャフトはアーバンリング工法により施工し、1箇所は鋼製セグメント、残りの6箇所は共同溝トンネルで使用したRCセグメントを本体利用した。これらのほかに品質向上、環境対策、維持管理などについて様々な提案を行った。本稿では、これらの設計および施工実績について報告する。

(株)間 組 大阪支店 大阪北共同溝作業所  石田 主悦
(株)間 組 大阪支店 大阪北共同溝作業所  榎本 教隆
(株)間 組 土木事業本部 技術第一部    増田 浩二

ハーモニカ工法による国道交差点のアンダーパス施工

近年、道路や鉄道等のアンダーパス工事を非開削工法により施工する事例が増えてきているが、全断面の大口径シールドでは土被りに制限がある。また、従来の外殻先行工法の場合、直線施工が基本であり、距離は100m程度迄が限界とされている。
 そのような背景の中、上記課題を解決する新しい工法として「ハーモニカ工法」が開発され、地下通路工事、鉄道・道路等のアンダーパス工事において実績を積み重ねつつある。
 本稿は、神奈川県下渋滞ナンバー1の交差点であった「国道1号原宿交差点」のアンダーパス工事において「最小1.7mの低土被り」、「埋設管との近接施工」、「平面R-320m、縦断R-1000mの3次元曲線」といった難条件下における本工法の施工事例を報告するものである。

大成建設(株)横浜支店 国道1号原宿交差点立体その2工事作業所 監理技術者  宮地 孝
大成建設(株)横浜支店 国道1号原宿交差点立体その2工事作業所 課長代理  安本 宣興

F-NAVIシールド工法による長距離・小口径シールドトンネルの高速施工

 近年,都市部における地上制約条件により立坑築造箇所が限定されることに起因し,シールド工事の長距離化が進んでいる。このような状況の中,工期短縮の観点からシールド工事の高速施工が求められている。
 F-NAVIシールド工法は掘進組立同時施工方式の高速施工工法である。シールド機は前胴部に首振り機構を装備し,ジャッキ選択によらない方向制御を可能とし,同時掘進に対応している。
 本稿では,東京ガス発注の新根岸幹線シールド工事において,総延長約14km(最長スパン4,755mを含む計3工区),セグメント内径2,000mmという長距離・小口径シールド工事に適用したF-NAVIシールド工法による高速施工事例について報告する。

清水建設 (株)土木横浜支店 新根岸シールド作業所 所長  神保 誠二
清水建設(株) 土木技術本部 シー
ルド統括部 主任  鹿島竜之介

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