第29回「最新の推進工法施工技術」講習会

“新しい領域を切り開く”
推進工法最新技術

殻(既成工法)を抜け出す長距離推進工法
「二重管推進工法」による1スパン1265m荒川横断

従来の推進工法の技術および実績では、長距離施工の適用範囲は1000m程度と考えられ、現実の施工状況において困難を極めるような場面があるのが実情でした。
それは、推進工法は到達するまで管列全体が移動する工法だという既成概念のもと、推進抵抗の軽減のため掘削外径を大きくしたり継続的な滑材注入や中押し設備などで対処してきたからです。
本稿では、そのような既成概念の殻を文字通り抜け出す工法として「二重管推進工法」を開発した経緯と、一級河川の荒川を横断する1スパン1265mの施工事例を紹介します。

機動建設工業(株)常務取締役 東京支社長  中野 正明
機動建設工業(株)東京支社 工事課長  舩橋 透

巨礫地盤を長距離推進する
“K-1推進工法”の進化と最新の施工事例

目覚しい進歩を遂げている推進技術であるが、それでも従来の技術では施工が困難であった課題のひとつが巨礫・玉石地盤である。この課題の克服として“K-1推進工法”はスタートした。
本編では、前回紹介した破砕型泥濃式K-1推進工法の技術的概要とその効果を示す実施例を報告し、更に、新たにバリエーションを追加した泥水式など進化したK-1推進工法技術の概要と事例を紹介する。

K-1推進工法協会 技術委員          
(株)鴻池組 大阪本店土木技術部 課長  林 茂郎

“超大口径推進工”の施工計画

推進工法では規格化された推進管を適用し、呼び径3,000までを施工領域としてきた。施工領域に限界が設けられている理由として、掘進機や推進管の外径等から道交法等による制約を受け一体化した機材の運搬が困難になることが挙げられる。したがって、 3,000mm超の内径では、これまでシールド工法が採用されてきたが、延長が短い管渠において掘進機および各種設備の転用を前提とした推進工法を適用することで、より経済性の向上が図れるものと考えられる。今回、千葉市発注による「新港横戸町線3・4工区下水道施設移設工事」の泥土圧推進工事(内径 3,500mm、推進延長187.6m)において、上下2分割のPC推進管および現地組立解体方式による掘進機を適用することとなった。

本稿では、推進管組立を含めた超大口径推進の施工計画の概要を報告する。

千葉市下水道局 建設部 下水再整備課 課長  露崎 格
千葉市下水道局 建設部 下水再整備課 工務第二係長  河野 稔
(株)奥村組 東関東支店 黒砂工事所 現場代理人  伊藤 和芳
(株)奥村組 東京支社 機械部 工務課長  片平 啓氏

鋼材等の地中障害物を切断可能な工法の開発(DO-Jet工法)

現在、上下水道、電気・通信管路、パイプライン等のインフラ工事では、新設および施設の更新をはかる再構築工事が頻繁に行われている。そして、環境問題、交通規制等の問題からその大部分の工事が非開削工法(シールド・推進工法)により施工されている。しかし、古くから繰り返し行われてきた様々なインフラ工事により、地中に鋼矢板などの仮設材料が残置されていることが多く、非開削工法で管きょを布設する場合には重大な支障を及ぼしている。
このような問題に対処するため、超高圧ジェット水を多目的ノズルから噴射させて鋼材等の地中障害物を掘進機から非接触により切断・除去及び地盤改良が可能な新型掘進機(DO-Jet工法)の開発を進めてきた。
ここでは、開発を行ったDO-Jet工法の概要、現場における切断実験の結果ならびに今後の課題等について報告する。

DO-Jet工法研究会 事務局長  川口 耕治
中黒建設(株) 東京支店 取締役副支店長  大日方 英之

“コスト縮減と環境保護を一挙に解決したアースドッキング工法”
ヒューム管推進工法により2台の掘進機を地中で接合

都市部における管渠の建設は、輻輳する埋設物や交通規制問題から、非開削工法である推進工法においても立坑等の確保が難しくなってきている。
ヒューム管推進工法では、既設構造物に直接到達させるという到達立坑を不要とした施工技術の発展として、両方向から推進を行ってきた2台の掘進機を地中で接合することで、さらなる路上工程の削減と長距離管渠の築造を可能としたアースドッキング工法を開発した。
本稿では、東京都内で行われた呼び径φ350mmとφ900mmの異径管によるヒューム管推進工法の2台の掘進機における地中接合結果について報告する。

(株)協和エクシオ 土木エンジニアリング本部 課長  川合 孝
(株)協和エクシオ 土木営業本部 主任  佐藤 大輔

泥濃式推進工法(超流バランス式)における多曲線施工の現状と
既設管渠への機械的推進側面地中接合技術の開発

(1)中口径(φ800)・長距離(561.0m)・多曲線(R=40mを含む1スパン8箇所)推進工事の施工技術の現状
(2)中硬岩地盤(花崗岩210MPa)における急曲線(φ800、R=22m)施工と他工事を含むビットライフや掘進速度の実態
(3)既設構造物・管渠への安全で確実な推進側面地中接合技術(機械的切削接合技術)の開発

推進工法への技術開発の要請は日々留まる事を知らない。しかしながら、現状における地下インフラ整備等は経済性が重視され、工学的な検証や技術背景の確認・調査の公開が遅れ、安定した施工法の確立に至っていない。そのような実態を踏まえ、多曲線長距離施工、岩盤急曲線施工、推進側面地中接合技術の開発について実態を報告する。

(株)アルファシビルエンジニアリング 技術部計画課長  松元 文彦
(株)アルファシビルエンジニアリング 開発本部長(工博)  酒井 栄治
九州大学大学院工学研究院 助教授(工博)  島田 英樹