第35回「最新の推進工法施工技術」講習会

今、直面する推進工事の課題
「解決への具体策を探る」

※本講習会は、継続教育(CPD)プログラム認定(単位数6.7)にて2010年10月に開催されました。

~都市再整備における取り組み~
課題の多い難工事における推進施工対応 マッドマックス工法

 人口減少傾向の中でも、都市部においては人口が集中し、都市再整備の需要は高まっており、さらに地下空間利用が増加する傾向にある。一方都市部の地下には構造物が多数埋設され、中には老朽化し不要となった構造物等も残置されたままの状況である。このため新規建設物等はそれらを避けるか、老朽化し不要となった残置物を除去しながら、新たな建設を行うことが必要となる。さらに都市部での建設作業は、地上においても既存施設が隙間なく建設されており、施工ヤードを確保する場所は非常に少ない。よって地上も地下も都心部での推進施工は、それらの問題解決をするための進化した技術、工夫が必要となっている。しかも、近年の推進需要は雨水対策等に必要な中大口径管の敷設が多いので狭隘な都市部施工ではさらに大きな課題となる。本稿では、中大口径推進工法のマッドマックス工法施工例を紹介し、課題の多い難工事における中大口径推進施工に対する技術的取り組みについて報告する。

イセキ開発工機 営業技術部 部長  佐藤 徹
ハンシン建設 推進事業部 工事課長  福田 浩司

大深度に挑む最新の推進技術
アルティミット工法技術とその実施例

 近年、都市部の道路下には、上下水道、ガス、電気等の管渠が輻輳して埋設されており、新たな管渠布設はこれらの既設管渠を避けて新設することが必要となってきている。このため、管渠の施工深度は徐々に深く計画されているのが現状である。しかし、このような大きな土圧や高い水圧の難条件下での推進施工は、各種のトラブルが想定される。主なものとして、推進力の増大による推進管の破損や管継手部からの出水・精度不良、掘削管理不足による路面の沈下や隆起、発進時の掘進機後退現象(バッキング現象)、発進坑口の止水不良、到達鏡切時の出水に伴う土砂崩壊等が考えられる。これらのトラブルは、綿密な計画立案のもとに施工しなければ、一般的に言われるトラブルという範囲に留まらず、多大な損害と共に社会的な信用も損ないかねない。
 これらの課題を解決するために、大深度用に開発されたアルティミット工法技術を採用し、大深度で高水圧下の推進施工を可能にした。本稿では、大深度推進における課題と対応、数件の施工実施例について報告する。

機動建設工業(株) 関東支店 工事部長  舩橋 透

長距離推進工事におけるコスト縮減と
電磁波による到達位置誘導システム

 泥濃式推進工法(アパッチ工法)に中押装置を組み合わせ、長距離複合曲線を施工。掘進機にネオジャスト・システム(電磁波誘導装置)を搭載し人孔到達させた工事である。
 近年の長距離推進化に伴い管材、クッション材のコスト上昇化が進んでいる中、泥濃式推進工法に中押装置を組み合わせ、管材のコスト縮減を図り、推力低減システムの採用でφ800mm、推進延長L=494.257m(直線30m---R=32m、R=32mS字曲線---350m直線---R=21m)を1800kN(180t)にて施工し、既設人孔から掘進機を回収した現場の計画変更から施工結果までを報告し、今回掘進機に搭載したネオジャスト・システムの概要を紹介する。

ヤスダエンジニアリング 工事部次長  杉本 理
ヤスダエンジニアリング 開発部部長  濱田 十郎
ヤスダエンジニアリング 設計部課長  富田 昌晴

近接施工における課題と難工事への取り組み

 近年、都市部の地下では、上下水道、ガス、電力、通信等のライフライン施設が多数埋設され、さらに必要な位置に新規の管路施設を構築するためには、現状の地下構造物や埋設物への影響を配慮し、設計提案および施工を行わなければならない。特に、下水道管路では、自然流下が原則であるため、施工では高い精度が要求されている。推進工法では、近接した地下構造物や埋設物への影響が小さいと考えられているが、様々なファクターによって、与える影響が異なることは、周知の通りである。そこで、本稿では近接施工の考え方と課題を報告する。
 推進工法では、超長距離、超急曲線、多曲線施工の実績が多くなり、ほとんどの施工が可能であると考えられているが、推進工事における難題はまだ多く存在する。設計者の観点から難題への取り組みについても報告する。

中川企画建設(株) ECO SPEED SHIELD工法協会事務局員  檜皮 安弘

小土被りにおける泥濃式推進工法の地盤への影響と実態

  近年の密閉型推進工法の発達には目を見張るものがあり、その中でも泥濃式推進工法は、切羽及びテールボイドの安定性に着目して25年が経過しようとしております。特に、周面摩擦力の低減や推進力の安定性に優れたこの工法は、超長距離推進や超急曲線推進に優位性が有り、岩盤・曲線推進等の実績を積み重ねています。
 昨今の施工環境は、過密化された地上環境のみならず、地下空間においてもその輻輳化は進み、施工条件への厳しさに追加されております。そのため、より一層、安定性が高く、非常に土被りの浅い位置での施工が可能な技術の確立が求められています。
 本稿においては、超流バランスセミシールド工法を用いた過去の実証実験結果による影響解析や、実施施工における地盤への影響の実態を下に検証を行い、小土被り施工における適用範囲等について提案致します。

(株)アルファシビルエンジニアリング 技術部門  松元 文彦
(株)アルファシビルエンジニアリング 技術部門  森田 智

巨礫・玉石層における長距離推進施工
-ラムサス工法の適用性と施工事例-

  公共工事のコスト縮減や推進技術の向上により、巨礫・玉石層においても長距離推進の施工件数が増加している。
 ラムサス工法は、礫・玉石層を得意として数々の長距離推進の実績を上げている。
  本稿は、その中でも特徴ある施工事例およびラムサス工法の適用性を紹介する。

ラムサス工法協会 技術員  森 勇二
ラムサス工法協会 技術員  渡部 剛

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