第39回「最新の推進工法施工技術講習会」

しさ増す施工環境下の推進技術
– 難度、高まるニーズと技術対応–

※本講習会は、継続教育(CPD)プログラム認定(単位数6.8)にて2014年10月に開催されました。

循環型社会の形成に貢献する複合式推進工法
“ハイブリッドモール工法”

 ハイブリッドモール工法は、大中口径管推進工法の一般的な推進工法である泥水式、泥濃式および泥土圧式が有する各々の技術的特性を活かし、推進区間内の土質変化に応じて掘進機内で最適な方式に切り替えることが可能な工法で、掘進機の切羽の安定性向上と掘削残土の分級・循環装置(泥水処理設備)の開発による建設汚泥の大幅な減量化および推進中の掘削添加材のリサイクル化を実現した画期的な複合式推進工である。
 本方式の概要説明と産業廃棄物の減量化を行った事例および、小型の発進立坑より鋼製鞘管を掘進機と一体で発進させた事例や、仮設備である支圧壁のコンクリート打設量を減じることのできる鋼製支圧壁等の紹介を行う。

ハイブリッドモール工法協会 技術委員  伊藤 啓
(アイレック技建(株) 非開削推進事業本部)

推進工事における設計変更に関する報告
– 都下水再構築工事での施工事例 –

 本工事は、東京駅周辺地下街浸水対策の集水管を構築し、雨水排水能力を増強するための再構築工事である。既設管渠の更新に併せて、φ800~900の貯留・バイパス管を約500m新設することとなっていたが、交通環境や近接構造物、地下埋設物などの条件を確認したところ当初設計との差異が大きく、そのままでは施工が非常に困難であることが判明した。そのため、着工する前に線形や推進工法・仮設方法などを大幅に変更する必要があった。
 ここでは、当初設計から実際の計画・施工に至るまでのさまざまな変更の経緯や検討の内容、工程見直しによる工事範囲の縮小化、特殊な形態での発進・到達など、設計変更および施工の結果について報告する。

(株)森本組 東京支店 土木部 設計課長  吉澤 真二

~φ1000mm掘進機内からの薬液注入~
推進延長410m、配管延長800mの地中障害物推進施工

 ミリングモール工法(地中障害物対応型推進工法)は2006年頃から開発を開始、様々な切削実験を繰り返し5年後の2011年 に最初の施工を行いました。まだ工法名も決まっていない、設備も不十分な状態で施工したこの現場は、これまでの実績 の中で最も過酷なものでした。
 今回ご紹介する現場は大阪市西成区で施工しましたφ1000mm推進延長410mで、途中に鋼矢板III型を2箇所切削貫通する 工事です。発進立坑付近にはプラントヤードが無く、推進管をストックできるスペースがある程度だったので、接続する 別の2スパン140mと220mの推進工事を先に施工し、その管内を配管させるといった手法を取り施工しました。最終的に掘 進機からプラントまでの配管延長は800mにも達し、掘削土砂の吸引も同距離の搬送となりました。
  国道横断工事であり、その直下に地中障害物(鋼矢板III型)が存在していたため、機内薬液注入を行いながら地中障害 物の切削を行ないました。ミリングモール工法で機内薬液注入を行った最初の現場で、φ1000mmの掘進機内からの施工 は、非常に狭い空間での作業であり、不慣れな事もあって、設置、施工には苦労しました。

ヤスダエンジニアリング(株) 設計部 課長  富田 昌晴

厳しい施工条件(小土被り・長距離・曲線)での大中口径管推進工事

 本工事は、土地の高度利用や市街地の拡大による雨水浸透量や貯留能力の減少による雨水流出量の増大に伴う浸水被害 の解消を目的とした雨水管渠築造工事である。
  施工現場の道路は、太宰府天満宮参拝への主要県道でもあり非常に交通量が多い。この道路下に呼び径1800(外径 2120mm)の推進管をアルティミット泥水式推進工法で敷設した。
  本工事の特筆すべき事項としては、推進延長が583.7mという長距離推進であることに加え、発進後約300mの区間は土被 りが1.0D以下(土被り最小部/推進管外径=1.65m/2.12m=0.77D)であること、曲線半径192m(曲線長211m)の区間 を含んでいることなどがあげられる。
  本稿では、このような工事の特異性とリスク対策としてのアルティミット工法の施工技術を報告する。

機動建設工業(株) 九州支店 部長  勘如 重樹

直接切削接合型推進工法による既設管との側面地中接合と施工実績
~貫入リング押出し回転切削型接合工法~

  昨今、稠密化した厳しい施工環境においては、道路占用が困難となり地上からの作業に制約を受ける場合が多い。その ため、到達立坑を省略した既設管渠等の構造物への直接接合が要求されているが、既往の技術では地上からの地盤改良等 の補助工法が前提となり、やはり到達位置での地上占用スペースが必要となる。さらに、従来工法では既設管渠の側面に 直接到達させる場合、接続箇所の地盤改良を行った後、開放された状態で既設側と新設側管渠を接合させる必要があり、 施工規模が膨大となり工期・工費の悪化や安全性などに問題を残している。
 そこで本稿では、地上からの作業を無くし、かつ大規模な補助工法を軽減し、短期間で安全な施工方法として開発した 「貫入リング押出し回転切削型接合工法」の施工事例をいくつか紹介し、その施工事例を踏まえ、今後の地下構造物構築 技術への適用性を探る。

(株)アルファシビルエンジニアリング 技術部部長(技術士)   松元 文彦
(株)アルファシビルエンジニアリング 技術部統括課長(技術士補)   森田 智

内径3000mm泥水式推進工法による長距離、急曲線、高水圧施工

 近年、都市型降雨といわれる局所的な短時間大規模降雨による浸水被害が大都市を中心に頻発しており、浸水被害を軽 減することを目的として一時的に雨水を集水・貯留する貯留施設の整備が進められている。
 本工事は、横浜市鶴見区獅子ケ谷地区において過年度より発生している浸水被害の軽減を目的として、内径3000mmの雨 水貯留管を泥水式推進工法にて施工するもので、内径3000mmの推進工事としては長距離(L=598m)、急曲線(最小曲線半 径R=55m)、高水圧(最大水圧0.23MPa)と厳しい施工条件が重なる工事である。
 本稿は、施工にあたってトラブルを予測して検討を行った推進管の継手、中押し管とその前後の管種などと施工結果に ついて紹介するものである。

東急建設(株) 土木本部 土木技術設計部 担当部長(工博・技術士)   高松 伸行

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